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How did you feel at your first kiss?
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 欲しいだけ抱いた後になって、何だか辛がる目で自分を見つめてくるのは止めて欲しいと思う。
 そのくせ自分が目線を合わせてやれば、微妙に逸らされたりするのも。
 声が出るなら一喝してやりたいし、手足が動くのならば殴るなり蹴るなりしてやりたい。
 そのどれも叶わない、でもその事が腹立たしいのではない。
 判れ、と宍戸が目線で訴えて睨みつけてやれば、鳳は漸く観念したらしかった。
 ベッド脇に立っていた鳳が、膝をつく。
 ベッドから出られない宍戸の視線に近づいてくる。
「………………」
 ごめんね、とちいさなちいさな声と一緒に頬に唇が寄せられて。
 ちいさくちいさく痛む身体を、大きな手のひらが宥めて擦る。
 宍戸は瞬きすら億劫なままベッドに腹這いでいて、会えないでいた時間の分だけ長くなった行為の余韻で、声が出ない、身体が痛い。
 でもそれが嫌なのではない、辛いのではない。
 判れ。
 祈るように鳳からのキスを受け止める。
「………俺には勿体無い人だって、思ってるんです。いつも」
 どういう馬鹿だ。
「それでも、どうしても、宍戸さんを誰にも絶対触らせたくないから」
 そういう事なら。
「無茶でも、酷くても、俺だけがする。他の誰にも、触れさせないって決めた」
 鳳は言った。
 宍戸は聞いた。
 だから。
「…………き……たから…な……」
 声が戻ってくる。
「………………れ…よ……」
 言ったのだから。
 聞いたのだから。
 守れ、と宍戸は返した。
 ずっと、ずっと、これから先もずっと守っていけ。
 決めたと、鳳が宍戸に教えたその言葉を。
「誰にもやらない」
 当たり前だと宍戸は思って身じろいだ。
 腰が真綿のように軽くて感覚がない。
 仰向けになる為の、手足の動かし方が判らないかのようになっている自分の身体を持て余す。
 床に膝をついて顔を近づけてきて、目線の高さを同じくしてくる鳳を。
 威嚇じみた眼差しで睨み据え、宍戸は重たい腕を伸ばした。
 指先が震えるように伸びていく手を鳳へと伸ばした。
 ベッドに乗り上げてきて、宍戸を組み敷きながらもこの腕に抱き込まれてくる鳳が、好きで、好きで、どうにかなる。
 判れ、と宍戸はまた思った。
「………………」
 宍戸の顔の両脇に手をついて、見下ろしてくる鳳に。
 宍戸は明け透けに何もかも晒して。
 表情も、身体も、思う心の内、全て晒して。
「お前が抱く身体だ……これは」
「………………」
「全部……お前の好きにしていい、一人だけの人間が俺なんだろ」
 何を当たり前のことをと、普段より少し荒い口調の鳳の言葉が宍戸の恋情を焼く。
 残り火が焚きつけられたようになる。


 判れ。
 守れ。


 生まれた日に、宍戸が鳳に願うものと欲しいものは、ただそれだけだ。
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