How did you feel at your first kiss?
うつぶせた薄い背中が、うねるように乱れているのに鳳は手を伸ばした。
「……ッ…、…っ…」
「………もうしません。終わりです」
綺麗な背がびくりと跳ねたのを宥めるよう、鳳はゆっくりと手のひらで擦る。
鳳の呼吸もまだ大概あがってしまったままだが、細い指でシーツに取り縋るような仕草でうつぶせている宍戸は、その比ではなく苦しげだった。
「宍戸さん……ゆっくり戻ってくればいいですから…」
「………っ……ァ……」
少しでも落ち着けるようにと、鳳は繰り返し宍戸の背を擦る。
際立ってラインの綺麗な宍戸の背筋は感触もひどく甘くて、凝りもせず鳳の手のひらを疼かせる。
肩先に欲の滲まない唇を寄せた鳳の所作に、まず宍戸の指が、掴み締めていたシーツから漸く外される。
細い骨が浮かび上がるほど強張っていた宍戸の手の甲に鳳は唇を押し当てる。
宍戸に背中から覆い被さるようにして。
頬や耳の端にも口付けながら、鳳が追い上げてかき散らした身体が穏やかに静まるよう丁寧に触れていく。
薄赤く染まっていた宍戸の全身がゆるやかに本来の色の落ち着いてくるにつれ、逆に浮かび上がってきたのは、最中宍戸の腰を強く掴み締めていた鳳の指の痕跡だった。
うつぶせた宍戸を、背後から、繰り返し穿っている間。
鳳の両手の中にあった華奢すぎる程に細い宍戸の腰には、生々しく鳳の指の痕が残っていた。
「……長…太郎……?」
自分へと流されてきた眼差しに鳳は宍戸の眦に口付けてから、すみません、と囁いた。
「…………な…にが…?…」
「………辛くなかったですか?」
「だから……なにが……」
「腰。俺の指の痕すごくて」
壊しそう、と思う事はよくあった。
屈強な精神の分というように、宍戸の肢体はか細い。
普段はそんな事を全く感じさせない宍戸を、抱いた時にはいつも強く思い知らされる。
溺れこむように宍戸に沈みきって、揺さぶりたてている時の己の獰猛さを目の当たりにして、苦く自嘲した鳳を宍戸が気だるく寝返って腕を伸ばし、抱き寄せてくる。
甘やかされているのを承知で、鳳はされるがまま宍戸の胸元に顔を伏せた。
「……お前が夢中になってんの好きなんだよ」
素っ気無いような口調だったけれど、手遊びに鳳の髪に沈み込んできた指先は甘く優しい。
「俺ばっかおかしくさせてどうすんだよ。お前。……」
ちょっとはお前も我を忘れりゃいいとまで言われて鳳は笑った。
「…………なに言ってるんですか…宍戸さん」
胸元をそっと撫で擦りながら、鳳は顔を上げて宍戸の唇にキスをした。
薄い唇にも、幾度も捩じ込むように強く深く舌を差し入れ、口付けたのに。
宍戸の唇はいつでも清潔な印象で鳳からのキスに応えてくれている。
「………、……ふ…」
そうやって軽く唇だけを重ねていたのだが、宍戸の唇が綻ぶように緩み、戯れる仕草で舌と舌とが触れて。
性懲りも無くその舌を貪りたくなって、鳳は苦笑した。
「………ね、……煽らないで…」
「クールダウンみたいなもんだろ……」
「はい…?」
激しい試合の後でも、筋肉の負担を減らすために、休むのではなく走りこむ事と。
今の、このキスとが、同じという事かと。
鳳は宍戸の言い様に一層苦笑を深めた。
そんなに甘やかしていいのかと思うけれど、それに逆らいようもない。
宍戸の唇を欲しいままに貪れば、息を継ぐ合間で囁く声が一層鳳の思考を焦がす。
「……いきなりお前がいなくなると、おかしくなんだよ。身体」
「………宍戸さん」
追い詰められる。
「どうかしてるよな……」
「…………、……」
どうにかなりそうだと。
鳳は息を詰めて、宍戸を組み敷いた。
「…長太郎…?……」
いとけなく見上げられて胸も詰まる。
抱き締める。
「……長太郎……?…」
そんな声で呼んで。
鳳の気持ちを、そんな風に占めてくるような相手は。
いつだって、鳳には、宍戸だけだった。
「……ッ…、…っ…」
「………もうしません。終わりです」
綺麗な背がびくりと跳ねたのを宥めるよう、鳳はゆっくりと手のひらで擦る。
鳳の呼吸もまだ大概あがってしまったままだが、細い指でシーツに取り縋るような仕草でうつぶせている宍戸は、その比ではなく苦しげだった。
「宍戸さん……ゆっくり戻ってくればいいですから…」
「………っ……ァ……」
少しでも落ち着けるようにと、鳳は繰り返し宍戸の背を擦る。
際立ってラインの綺麗な宍戸の背筋は感触もひどく甘くて、凝りもせず鳳の手のひらを疼かせる。
肩先に欲の滲まない唇を寄せた鳳の所作に、まず宍戸の指が、掴み締めていたシーツから漸く外される。
細い骨が浮かび上がるほど強張っていた宍戸の手の甲に鳳は唇を押し当てる。
宍戸に背中から覆い被さるようにして。
頬や耳の端にも口付けながら、鳳が追い上げてかき散らした身体が穏やかに静まるよう丁寧に触れていく。
薄赤く染まっていた宍戸の全身がゆるやかに本来の色の落ち着いてくるにつれ、逆に浮かび上がってきたのは、最中宍戸の腰を強く掴み締めていた鳳の指の痕跡だった。
うつぶせた宍戸を、背後から、繰り返し穿っている間。
鳳の両手の中にあった華奢すぎる程に細い宍戸の腰には、生々しく鳳の指の痕が残っていた。
「……長…太郎……?」
自分へと流されてきた眼差しに鳳は宍戸の眦に口付けてから、すみません、と囁いた。
「…………な…にが…?…」
「………辛くなかったですか?」
「だから……なにが……」
「腰。俺の指の痕すごくて」
壊しそう、と思う事はよくあった。
屈強な精神の分というように、宍戸の肢体はか細い。
普段はそんな事を全く感じさせない宍戸を、抱いた時にはいつも強く思い知らされる。
溺れこむように宍戸に沈みきって、揺さぶりたてている時の己の獰猛さを目の当たりにして、苦く自嘲した鳳を宍戸が気だるく寝返って腕を伸ばし、抱き寄せてくる。
甘やかされているのを承知で、鳳はされるがまま宍戸の胸元に顔を伏せた。
「……お前が夢中になってんの好きなんだよ」
素っ気無いような口調だったけれど、手遊びに鳳の髪に沈み込んできた指先は甘く優しい。
「俺ばっかおかしくさせてどうすんだよ。お前。……」
ちょっとはお前も我を忘れりゃいいとまで言われて鳳は笑った。
「…………なに言ってるんですか…宍戸さん」
胸元をそっと撫で擦りながら、鳳は顔を上げて宍戸の唇にキスをした。
薄い唇にも、幾度も捩じ込むように強く深く舌を差し入れ、口付けたのに。
宍戸の唇はいつでも清潔な印象で鳳からのキスに応えてくれている。
「………、……ふ…」
そうやって軽く唇だけを重ねていたのだが、宍戸の唇が綻ぶように緩み、戯れる仕草で舌と舌とが触れて。
性懲りも無くその舌を貪りたくなって、鳳は苦笑した。
「………ね、……煽らないで…」
「クールダウンみたいなもんだろ……」
「はい…?」
激しい試合の後でも、筋肉の負担を減らすために、休むのではなく走りこむ事と。
今の、このキスとが、同じという事かと。
鳳は宍戸の言い様に一層苦笑を深めた。
そんなに甘やかしていいのかと思うけれど、それに逆らいようもない。
宍戸の唇を欲しいままに貪れば、息を継ぐ合間で囁く声が一層鳳の思考を焦がす。
「……いきなりお前がいなくなると、おかしくなんだよ。身体」
「………宍戸さん」
追い詰められる。
「どうかしてるよな……」
「…………、……」
どうにかなりそうだと。
鳳は息を詰めて、宍戸を組み敷いた。
「…長太郎…?……」
いとけなく見上げられて胸も詰まる。
抱き締める。
「……長太郎……?…」
そんな声で呼んで。
鳳の気持ちを、そんな風に占めてくるような相手は。
いつだって、鳳には、宍戸だけだった。
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