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How did you feel at your first kiss?
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 背格好やら顔立ちやらは大人びているのに、笑うと途端に甘く柔らかくなる男は、指の先まで蕩けそうに優しくて、とことん自分を駄目にする。
「宍戸さん。こっち来て。マッサージします」
「……いい」
「何でですかー」
 つれなく突っぱねたのだから、少しは責めるなりすればいいものを。
 何でまたそんな哀しそうな声を出して、尚も丁寧に微笑むのか。
 ただでさえ宍戸には自分の勝手でこの夜半の特訓に鳳をつき合わせているという負い目がある故に。
 これ以上何か、鳳にして貰うような事は極力なくしたいのだが、少しでも距離を置こうとすると、それは哀しげに鳳が肩を落とすものだから。
 結局宍戸は折れるしかない。
「……判った」
 嘆息して。
 鳳の言うのに任せるしかなくなる。
 宍戸が頷くと、鳳は殊更丁重に宍戸の手を取って、宍戸をベンチに座らせる。
 宍戸の足元に鳳は膝をついた。
「………お前」
「はい?」
「……ほんと…マメだな」
「そうですか?」
「そうだろ…」
「そうですかね?」
「……………」
 生真面目に返答してくる鳳を、お前がマメじゃなくていったいどういう奴がマメなんだという目で見据えて宍戸は呆れた。
 宍戸の右腕に両手を当てて、丁寧に手のひらを滑らせマッサージしていく鳳は、目線を合わせなくても宍戸の眼差しに気付いているようで、丁重に宍戸の腕を扱いながら囁くようにして聞いてきた。
「鬱陶しかったりしますか?」
「……アホ」
「しつこいなーとか…」
「蹴るぞ」
「すみません」
 宍戸の腕を見つめる鳳は、睫毛を伏せたまま笑って。
 ゆっくりと上目に宍戸を見つめてきた。
「俺、宍戸さんにとにかく構って欲しくて」
「……………」
「甘えてるんです。すみません」
「………だから……どこがだよ」
 甲斐甲斐しいのも、気をまわすのも、鳳で。
 あれこれと甘えさせられてばかりいるのが自分で。
 宍戸には、お互いの思っている事は、何だかこんなにもちぐはぐだと。
 いっそ噛みあっていないくらいだと。
 思えてならないのに。
「……………」
 ふと落ちた沈黙に引き込まれるような衝動。
 鳳の両手で支えられた宍戸の手の甲への、鳳からの口付け。
 上体を屈めて鳳の髪先へ唇を埋めた、宍戸からの口付け。
 軽く、甘い接触は、二人同時で、優しくつりあう。
「え、………」
「………っ……」
 お互い、自身がするキスにいっぱいいっぱいで。
 だから同時に相手から与えられたキスには一瞬遅れで気づいたようになる。
 これもお互い。
「……宍戸さん」
「……、んだよ…」
 まず驚いて。
 仄かな羞恥。
 そして余韻は、あくまでも甘く、どこまでもより親密に。
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