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How did you feel at your first kiss?
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 髪がくずれていく。
 かたく、普段は上げてかためてしまっている互いの髪は、どちらからともなくくずれ出していく。
 亜久津に剥がれた衣服が、寝具の上、南の背の下で、散らかっていくように。
 キスをして、身体を重ねて、その過程で互いの髪が、散らばっていくように。
 汗で湿る。
 シーツに擦れる。
 その手にまさぐられ、この手に縋られて、髪はやわらかく濡れ、雑に乱れて、もつれあう。
 唇の内部を探られて、抉られて、舐められて、繰り返すキスの狭間に相手の髪を手に握りこむ。
 終わらせたくなくて亜久津の舌に南の方から絡んでいけば、苦い舌は尚濡れて、執拗に南の唇を貪った。
 そのくせ南の喉からくる痙攣を察するのも早く、食いちぎるように阿久津の方からキスが解かれるのと同時に、南はかわいた咳を唇から零した。
「………馬鹿が」
 舌打ちと共に、しかし亜久津の手は南の背を擦った。
「しねえって、俺は言った」
「……ッ…、…っ、ン…」
「やるっつったのはお前だ」
 不機嫌に吐き捨てられた言葉に、南は咳き込みながら頷いた。
 苦しいながらも淡く笑って阿久津を見上げて腕を伸ばす。
「…………さむい……」
 再度の舌打ちが聞こえて。
 南の身体は浚われるように亜久津の長い腕に巻き込まれた。
「熱あんだろうが」
「………いい…」
 したい、と言ってしがみつけば。
 亜久津の気配は剣呑としたものになったが、南の笑みは深まった。
 風邪をひいている自覚はあって、普段なら堅実にこの初期段階で治そうと思う南だけれど。
「いらないか」
 俺の風邪。
 ぽつんと呟いてやれば。
 一切の言葉にはせず、そのくせいつも南の何もかもを欲しがっている男は、躊躇いもなく嗄れた咳の余韻で忙しなく動いている南の喉を舐めて、深く、そこに口付けてきた。
 むさぼられる口付けに肌をさらしながら、南はやわらかくなった亜久津の髪を、大事に手のひらに閉じ込める。
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