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How did you feel at your first kiss?
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 背が高くて一見風貌は大人びているのに、フリスクはからくて苦手なんだと上級生の輪の中で真顔で手を振っている乾を横目にして海堂は微かに苦笑した。
 本当に微かに。
 それなのに。
「……笑うなよ。お前」
「………………」
 目敏い。
 乾が複雑そうな顔をして、即座に海堂の側に近づいてきた。
「あんた……いくつ目があるんですか」
「第三の目? ないよ」
 ほら、と前髪をかきあげて乾は海堂に顔を近づける。
 いきなり至近距離にきた面立ちに海堂は小さく息をのむ。
 緊張ではないが、慣れないものは慣れない。
 こんな距離で海堂に近づくのは乾くらいだ。
「………フリスク苦手なら…これ食べますか」
 顔を伏せる名目のように、海堂は鞄から小さな丸いアルミ缶を取り出した。
「ジェリービーンズ? 懐かしいな」
 NYで売られている大人向けのジェリービーンズは、長いこと、海堂の父親が海外出張の度に母親への土産として買ってきていたものだ。
 最近では普通に日本でも買えるようになった。
 興味深そうに海堂の手元を覗き込んでくる乾に、海堂は呟いた。
「…手」
「手?」
「手を出してくれなけりゃ中身も出せないだろ…」
「食べさせてくれないの?」
 長い人差し指で自身の口元を指し示して微笑む乾に、海堂は微かに赤くなる。
 この甘ったれた声が。
 声に。
 弱いのだ。
「…………………」
 どうせ知っててやってんだろうと八つ当たり気味に海堂は乾を睨みすえた。
 それをどう思って受け止めたのか、乾は即座にゴメンナサイと頭を下げてきて、自分でジェリービーンズを口に放る。
「……お、…うまいな。これ」
「…………………」
「小さい時に食べたのと全然違う。ジェリービーンズなのにやけに大人っぽい味がする」
 シャンパンやワインにも合うように作られているスイーツらしいので、確か味はカクテル風味だった筈だ。
 海堂がそう口をひらきかけた所で、乾の顔が再び近づいてきた。
「………海堂みたいだな?」
「…、……な……」
 乾はもう一度人差し指で自身の口元を示して囁く。
 海堂はもう、今度はもう、微かに赤くどころの話ではなくて。
「……っざけんな…!」
「いや本気」
 飄々と言って、乾は海堂の怒声を物ともせずに笑った。
「すこぶる本気」
「…ッ……、……」
 何をそんなに誇らしげに言うのかと、海堂は唖然となってしまう。
 だからといって乾のように言葉を駆使できない海堂は、結局反論らしい反論も出来ず、ただただ乾を見据えるだけだ。
 海堂自身はそうやって、あくまでも睨んでいるつもりなのに。
 乾はただただ嬉しげで、微笑むばかりでいる。
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