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How did you feel at your first kiss?
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 出会った最初の頃は何かにつけ神尾の方が怒る事が多くて、跡部は大抵笑ったり呆れたりしているばかりの客観的なところがあった。

 つきあいはじめた頃は、神尾は相変わらず腹を立てる事が多くて、しかし跡部も同じように怒ったり時には神尾以上に激高してきれたりする事があった。

 それからもずっとずっと一緒にいて。
 今に至って、どうなったかと言えば。

「お前が俺を嫌いでも俺はお前が好きだよ」
「………………」
「なあ、跡部。こっち向けってば」
 相変わらず跡部はよく怒るけれど。
「跡部」
 こっちを向いてくれなくて、泣いた事もあったけれど。
「俺は跡部が好きだよ」
 振り払われるのが怖くて、手が伸ばせなかった事もあったけれど。
「ちゃんと好きだから」
「………………」
「跡部」
 今は。
 そっぽを向いている跡部の正面に自分から回っていって、目を見つめて、腕を伸ばして。
 抱き締められるようになった。
「お前が俺には一番大事」
「…………、……」
「………………」
 跡部の舌打ちに萎縮した事も多かった。
 でも今は、それすらいとおしくて抱き締めていられる。
「跡部」
「……人を丸め込む方法なんざ覚えやがって」
「跡部」
「百年早ぇよバカヤロウ」
「うん」
 跡部が好きだとそれでも繰り返して言うと、神尾の腕の中、跡部が身体をあずけてきた。
 手にかかる重みが増した。
「………………」
 昔はこんな風な事はなかった。
 神尾が、跡部にしてやれる事なんて何もないと思っていた。
 でも今は幾らでもそういう言葉や行動があることを知っている。
「跡部」
 抱き締めて。
 名前を呼んで。
 腹が立ったり、苛々したり、寂しくなったり、弱ったりした時に、言葉が欲しいのは、抱き寄せられたいのは、自分だけではないと判ったから。
 笑って、大事に、抱き締めて。
 好きだと、幾度も、繰り返す。
「好き」
 同じ事を何度も言われるのが嫌いな跡部が。
 鬱陶しいとか、一度聞けば判るとか、必ず悪態をつく跡部が。
 この言葉だけは、神尾が何度繰り返しても絶対に遮らない。
「跡部」
 抱き締めていた跡部に、逆に抱き締め返され、強く床に組み敷かれる。
 跡部の両手に抱え込まれるように頭を掴まれ口づけられる。
 深く角度のついたキスは全部を貪られるように深くて。
「………ん、…っ…」
 苦しいくらい幸せだ。
「…ぁ……と…べ」
「……神尾」
 絡まる足、重なる身体。
 夢中になられる事が嬉しいから、夢中であることを隠さない。


 それからもずっとずっと一緒にいて。
 今に至って、どうなったかと言えば。
 こうなった。

 これからもずっとずっと一緒にいて。
 未来に至って、どうなるかと言えば。

 多分今と大差なく。
 違う喧嘩をしては、違う幸せを噛み締めているのだろうと思ったりする。
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