How did you feel at your first kiss?
慣れない身体が慣れるように。
慣れない感情に慣れるように。
「……跡部は、幸せ?」
「………………」
涙をためた目で、必死な眼差しで、神尾は跡部を見つめてくる。
跡部の正気を飛ばすような無垢な問いかけに、跡部は神尾の内部の深い所で留めていたものでその肢体をゆるく突き上げる。
か細い悲鳴と一緒に、たちまち涙は神尾の目から零れた。
「………っぁ」
「……………お前は」
どうなんだ、と跡部は口付けで直接神尾の口腔に言葉の続きを含ませる。
「俺……、……」
「………………」
軽く唇を触れ合わせたまま。
「ずっと……好き……」
「………………」
熱い吐息が唇にかかる。
笑みの形になっている神尾の唇。
感触でそれが判る。
「……ずっと好きだよ……跡部……」
慣れない身体を跡部の手に濃密に抱かれながら、神尾は素直な言葉を繰り返す。
跡部の一番欲しい言葉を口にする。
欲しがりなのは、自分の方なのだと。
跡部は判っていた。
神尾は寂しがりだ。
本当ならば神尾にこそ、浴びせかけるように与えてやらなければならない言葉。
それなのに、思う気持ちばかりがどうしようもなく募り、これまでにはまるで身に覚えのなかったような恋愛感情の甘さに、跡部自身が寧ろ困惑している。
神尾の言葉も表情もひたむきすぎて、跡部はそれと均衡する言葉が見つけられずに歯噛みする。
こんな事は今まで無かった。
言葉が追いつかない。
「……っぁ、ァ…っ」
言葉の分も神尾の身体に与えてしまう。
深くえぐるように身体を突き動かすと、神尾は声を詰まらせて喉を反らした。
細い、白い喉が震えている。
「神尾……」
「ァ……っ……」
舌でその喉を舐め上げる、そんな卑猥なやり方なら幾らでも出来るのに。
咽び泣く神尾の泣き濡れた顔に一層募る恋情は、優しい言葉よりも強い欲情ばかりが先走りしていくようで。
もっとどうにか、いくらでも体裁よく出来た筈なのに。
「…ひ……、…っ…ん…っ」
「………神尾」
「ん、っ…ぁ、…っ…」
快感をまだどこか苦しげに受け止める幼いような反応を返す身体を、めちゃめちゃに抱いて、抱いて、それでもまだ込み上げてくる飢餓感を跡部は持て余している。
神尾が跡部の平静.を掻き乱す。
「跡部、……っ…」
「………………」
「………、…て……?…」
「………なんだ…?」
戦慄く唇が、言葉を紡げず震えている。
腰を鷲づかみにして、神尾の体内へと立て続けに送り込む律動は、もっと加減をしてやらなければいけないほど強まってしまっている。
しかしそれをゆるめてやれないまま跡部は更に深く神尾を突き上げていく。
壊れるかもしれない。
手の中にある細い腰の感触に跡部が思い、眉根を寄せる。
同時に跡部の耳に吹き込まれる切れ切れの声。
「いっぱい…して……?」
「………、……」
「…跡部…、ね……、…い…っぱい…、して…、…?……」
「……神尾」
それはねだるのではなく、ゆるす言葉だ。
言いながら、両腕を跡部の首に絡めていく。
身体を重ねている時の神尾はあどけなくて聡い。
セックスには全く慣れないが、気持ちを形に現してみせるのは、こんなにも練達している。
跡部と全てが逆だ。
「神尾」
「……うん」
跡部が神尾の背中を抱きこむと、神尾は跡部の首に絡めた両腕に力をこめてくる。
しがみついてくる華奢な身体を同じ力で抱き寄せながら、跡部は神尾の肩口に顔を埋めた。
縋っているのは、どちらかとは、もう判らない均等な力の強さで抱き締めあう。
慣れない身体が慣れるように、繰り返し繰り返し跡部は神尾を抱く。
慣れない感情に慣れるように、繰り返し繰り返し神尾は跡部に囁く。
つりあうように。
つたわるように。
慣れない感情に慣れるように。
「……跡部は、幸せ?」
「………………」
涙をためた目で、必死な眼差しで、神尾は跡部を見つめてくる。
跡部の正気を飛ばすような無垢な問いかけに、跡部は神尾の内部の深い所で留めていたものでその肢体をゆるく突き上げる。
か細い悲鳴と一緒に、たちまち涙は神尾の目から零れた。
「………っぁ」
「……………お前は」
どうなんだ、と跡部は口付けで直接神尾の口腔に言葉の続きを含ませる。
「俺……、……」
「………………」
軽く唇を触れ合わせたまま。
「ずっと……好き……」
「………………」
熱い吐息が唇にかかる。
笑みの形になっている神尾の唇。
感触でそれが判る。
「……ずっと好きだよ……跡部……」
慣れない身体を跡部の手に濃密に抱かれながら、神尾は素直な言葉を繰り返す。
跡部の一番欲しい言葉を口にする。
欲しがりなのは、自分の方なのだと。
跡部は判っていた。
神尾は寂しがりだ。
本当ならば神尾にこそ、浴びせかけるように与えてやらなければならない言葉。
それなのに、思う気持ちばかりがどうしようもなく募り、これまでにはまるで身に覚えのなかったような恋愛感情の甘さに、跡部自身が寧ろ困惑している。
神尾の言葉も表情もひたむきすぎて、跡部はそれと均衡する言葉が見つけられずに歯噛みする。
こんな事は今まで無かった。
言葉が追いつかない。
「……っぁ、ァ…っ」
言葉の分も神尾の身体に与えてしまう。
深くえぐるように身体を突き動かすと、神尾は声を詰まらせて喉を反らした。
細い、白い喉が震えている。
「神尾……」
「ァ……っ……」
舌でその喉を舐め上げる、そんな卑猥なやり方なら幾らでも出来るのに。
咽び泣く神尾の泣き濡れた顔に一層募る恋情は、優しい言葉よりも強い欲情ばかりが先走りしていくようで。
もっとどうにか、いくらでも体裁よく出来た筈なのに。
「…ひ……、…っ…ん…っ」
「………神尾」
「ん、っ…ぁ、…っ…」
快感をまだどこか苦しげに受け止める幼いような反応を返す身体を、めちゃめちゃに抱いて、抱いて、それでもまだ込み上げてくる飢餓感を跡部は持て余している。
神尾が跡部の平静.を掻き乱す。
「跡部、……っ…」
「………………」
「………、…て……?…」
「………なんだ…?」
戦慄く唇が、言葉を紡げず震えている。
腰を鷲づかみにして、神尾の体内へと立て続けに送り込む律動は、もっと加減をしてやらなければいけないほど強まってしまっている。
しかしそれをゆるめてやれないまま跡部は更に深く神尾を突き上げていく。
壊れるかもしれない。
手の中にある細い腰の感触に跡部が思い、眉根を寄せる。
同時に跡部の耳に吹き込まれる切れ切れの声。
「いっぱい…して……?」
「………、……」
「…跡部…、ね……、…い…っぱい…、して…、…?……」
「……神尾」
それはねだるのではなく、ゆるす言葉だ。
言いながら、両腕を跡部の首に絡めていく。
身体を重ねている時の神尾はあどけなくて聡い。
セックスには全く慣れないが、気持ちを形に現してみせるのは、こんなにも練達している。
跡部と全てが逆だ。
「神尾」
「……うん」
跡部が神尾の背中を抱きこむと、神尾は跡部の首に絡めた両腕に力をこめてくる。
しがみついてくる華奢な身体を同じ力で抱き寄せながら、跡部は神尾の肩口に顔を埋めた。
縋っているのは、どちらかとは、もう判らない均等な力の強さで抱き締めあう。
慣れない身体が慣れるように、繰り返し繰り返し跡部は神尾を抱く。
慣れない感情に慣れるように、繰り返し繰り返し神尾は跡部に囁く。
つりあうように。
つたわるように。
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