How did you feel at your first kiss?
わけがわからない。
ずっと声を上げ続けそう。
喚き出しそう。
口走りそう。
暴れそう。
逃げ出しそう。
泣き出したらきっと止まらない。
きっと何もかもぐちゃぐちゃだ。
「………、っ…、…」
跡部の身体の下に押し潰されるように抱きこまれて。
開かされた神尾の足の狭間には跡部の胴体があって。
強張る神尾の内腿は、跡部の身体を挟み込んで締め付けるように擦り寄ってしまう。
神尾自身が感覚のうまくつかめない所を長いこと触れていた跡部の指先が。
離れていくと。
「……ぅ………」
今度こそ本当に取り乱しそうな全ての予感が神尾の混乱を悪化させた。
そこに指じゃなく押し当てられ、そこから拓かれそうになって。
混乱を閉じ込めるので神尾は必死だった。
「神尾」
「………っ、」
耳元で跡部の声がする。
耳に触れた跡部の吐息は両足の狭間に押し当てられているものと同じ熱量を放っている。
頭の中が霞んだ。
「……痛いのはお前で我慢しろ」
食いしばった歯の隙間からもらすように跡部が告げてきた言葉は。
「俺にはどうしようもしてやれねえよ。悪いがな」
「………あと……べ…?…」
神尾は、跡部が、どうして苦しいようなこんな声を出すのだろうかと、至近距離から目を凝らす。
どうして跡部が目を眇めているのか。
呼吸が浅いのか。
汗で前髪が湿っているのか。
どうして跡部が、と神尾は苦しい息を呑む。
「もし痛いんじゃなくて、気持ち悪いならすぐに止める」
「跡…、……」
やめないで。
それだけでもう、神尾の中は、それだけだ。
「跡部」
やめないで、と手で訴える。
神尾が跡部に両手でしがみつくと、すぐに背中を抱き締め返された。
「………………」
何でもいい、どんな事を言ってしまっても、してしまっても、ぐちゃぐちゃになっても、いいから。
やめるのは嫌だと神尾は思った。
このまま、神尾の知らない事を、跡部と。
しようとしている事は、相手は、痛いとか、気持ち悪いとか、怖いとか、不安だとか、そういう区別をつけて続けるとか止めるとか決められるような対象ではもうなかった。
「………ぁ…とべ…」
「………………」
もう少しどうにか、もっと別の、ちゃんとした正しい言葉や伝え方がある筈なのに。
痛いとか好きだとか、そういう感情を。
その言葉だけを使わなくても、もっとずっとちゃんとした言いようがあるように思うのに。
言葉の追いつかない気持ちがもどかしかった。
好きより好きなのだ。
「跡部」
でも、少なくとも。
この言葉を知っている自分を、幸せだと神尾は思った。
「跡部」
「神尾」
そしてこの言葉をもらえる自分も。
「………………」
唇を深く合わせた。
お互いに唇をひらき、お互いに舌をむさぼった。
これと同じ事を、別のところでするだけだと思って。
神尾の身体から混乱の要素は全て溶けた。
指を絡めて手をつなぎ、身体を食い違わせて繋がった。
「……っぁ、…、跡…、部…っ」
「神尾、…」
違う言葉を喋る自分達だけれど、この言葉で表している感情は同じだ。
同じ気持ちを、違う言葉で伝えあっているだけだ。
ずっと声を上げ続けそう。
喚き出しそう。
口走りそう。
暴れそう。
逃げ出しそう。
泣き出したらきっと止まらない。
きっと何もかもぐちゃぐちゃだ。
「………、っ…、…」
跡部の身体の下に押し潰されるように抱きこまれて。
開かされた神尾の足の狭間には跡部の胴体があって。
強張る神尾の内腿は、跡部の身体を挟み込んで締め付けるように擦り寄ってしまう。
神尾自身が感覚のうまくつかめない所を長いこと触れていた跡部の指先が。
離れていくと。
「……ぅ………」
今度こそ本当に取り乱しそうな全ての予感が神尾の混乱を悪化させた。
そこに指じゃなく押し当てられ、そこから拓かれそうになって。
混乱を閉じ込めるので神尾は必死だった。
「神尾」
「………っ、」
耳元で跡部の声がする。
耳に触れた跡部の吐息は両足の狭間に押し当てられているものと同じ熱量を放っている。
頭の中が霞んだ。
「……痛いのはお前で我慢しろ」
食いしばった歯の隙間からもらすように跡部が告げてきた言葉は。
「俺にはどうしようもしてやれねえよ。悪いがな」
「………あと……べ…?…」
神尾は、跡部が、どうして苦しいようなこんな声を出すのだろうかと、至近距離から目を凝らす。
どうして跡部が目を眇めているのか。
呼吸が浅いのか。
汗で前髪が湿っているのか。
どうして跡部が、と神尾は苦しい息を呑む。
「もし痛いんじゃなくて、気持ち悪いならすぐに止める」
「跡…、……」
やめないで。
それだけでもう、神尾の中は、それだけだ。
「跡部」
やめないで、と手で訴える。
神尾が跡部に両手でしがみつくと、すぐに背中を抱き締め返された。
「………………」
何でもいい、どんな事を言ってしまっても、してしまっても、ぐちゃぐちゃになっても、いいから。
やめるのは嫌だと神尾は思った。
このまま、神尾の知らない事を、跡部と。
しようとしている事は、相手は、痛いとか、気持ち悪いとか、怖いとか、不安だとか、そういう区別をつけて続けるとか止めるとか決められるような対象ではもうなかった。
「………ぁ…とべ…」
「………………」
もう少しどうにか、もっと別の、ちゃんとした正しい言葉や伝え方がある筈なのに。
痛いとか好きだとか、そういう感情を。
その言葉だけを使わなくても、もっとずっとちゃんとした言いようがあるように思うのに。
言葉の追いつかない気持ちがもどかしかった。
好きより好きなのだ。
「跡部」
でも、少なくとも。
この言葉を知っている自分を、幸せだと神尾は思った。
「跡部」
「神尾」
そしてこの言葉をもらえる自分も。
「………………」
唇を深く合わせた。
お互いに唇をひらき、お互いに舌をむさぼった。
これと同じ事を、別のところでするだけだと思って。
神尾の身体から混乱の要素は全て溶けた。
指を絡めて手をつなぎ、身体を食い違わせて繋がった。
「……っぁ、…、跡…、部…っ」
「神尾、…」
違う言葉を喋る自分達だけれど、この言葉で表している感情は同じだ。
同じ気持ちを、違う言葉で伝えあっているだけだ。
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