How did you feel at your first kiss?
欲情した跡部が判るようになった。
普段から彼が持ち合わせている淫靡な気配よりもっと。
色濃く変貌した顔を、跡部は神尾を組み敷き、見つめあうさなかに晒す。
跡部の顔。
吐く言葉。
漏れる息。
そういうものが全部、神尾の前で暴かれるのだ。
最初のうちは。
例えば抱かれる時などに、何でいきなり、だとか。
跡部ばかり平然としていて、これではあまりにも不公平ではないだろうか、とか。
思っていた神尾だったが、近頃いろいろ判るようになってきたのだ。
跡部も欲情する。
それを神尾に向けてくる。
薄い色の瞳に濡れたような熱が煌き灯る所から始まって。
まばたきをしなくなる。
長い睫毛がやけに目につくようになるのは、薄く目を細めるように伏目がちに見つめてくるからだ。
それもひどい至近距離から。
生々しい視線で、それこそ神尾の顔からちょっとした所作まで何一つ取りこぼさず見つめてくる。
見つめたままで身体中まさぐってくる。
跡部の手は不思議だ。
指先はこの上なく繊細なのに、手のひらは傍若無人に触って確かめるかのように神尾の四肢のあらゆる所を包み、さすり、辿ってくる。
子供のような、動物のような。
率直で、卑猥な手に。
神尾は身体も顔も撫でられる。
普段辛辣な言葉を吐くことの多い跡部の唇の中は、とろりとやわらかかった。
神尾は自分の身体のあちこちでそのことを知っている。
そのやわらかいものは神尾の殆どの場所を含んだからだ。
やけに苦しがる顔で跡部が自分を貪る事も。
甘ったるく喉を鳴らして吐き出してくる事も。
神尾は今は知っている。
でも昔は知らなかったそういうものが気づけるようになったからといって、ほんの少しも余裕が生まれたりはしなかったけれど。
結局は、跡部に翻弄されて、神尾はめちゃくちゃになる。
「………キリねえな」
「……、……ごめ………」
ベッドの上でしとどに潤んで身体を震わせている神尾は、幾度目かの放埓を体内に含み入れた後も、跡部から与えられ続けるキスに呼気を乱して胸を喘がせている。
もう跡部は、中にはいないのに。
だから跡部の呻きは最もで。
終わっても終わってもおさまりきれない身体が神尾自身怖かった。
性懲りもなくまた震え慄いている。
跡部のキスに口腔を濡らして、また。
まだ。
「てめえじゃねえだろ」
「……え…、…?……」
「…馬鹿が」
「………っひ…、…っ…」
跡部の両手に頭を包まれて、きつく固定されながら唇が塞がれる。
神尾の身体に跡部が通る。
脳まで直結しそうに、一息に。
凄まじい圧倒的な熱で。
「…ッ……、っ、…、っ…ぅ…」
喉を震わせる神尾の唇は完全に塞がれて、嬌声も出ない。
神尾の眦からあふれて零れる涙は、苦しいだけではない。
跡部は、幾度もその手のひらで拭ってくるけれど。
思考が届かないような深い所で、絡み合えている自分達が不思議で、怖くて、訳もなく嬉しかった。
跡部、と口にしたい。
言葉にしたい。
好きで、好きで、胸が押しつぶされそうに詰まっているものを、跡部がこうしてまだ与えてくるから。
懇願してでも呼びたい。
跡部。
「……っぁ、」
「…、……舌まで、いちいちエロいんだよお前は…」
低く吐き捨ててくるような悪態と一緒にキスが解かれる。
跡部に貪られていた舌が、どう動いてしまっていたのか神尾には知る由もないけれど。
跡部の名前を呼びたくてもがいていただけだから。
「………、とべ……あ、…っ…跡…部…、っ…跡部」
堰をきって迸り出る言葉に神尾は震え上がる。
キリがない。
キリがない。
本当に。
そんなことは本当にお互い様だ。
「………ぁぅ、…っ、…」
「………くそったれ、」
また跡部が悪態をついて、がっつくように動きを早める。
神尾を強く、きつく、揺さぶってきた跡部の赤裸々な欲望に。
見合う必死な仕草で、神尾は跡部の背中をかきいだく。
抱き締め返す。
キリがない。
はてがない。
しょうがない。
好きすぎて、それが募りすぎて、こんな事でも繰り返さなければもう、どうしようも、ない。
普段から彼が持ち合わせている淫靡な気配よりもっと。
色濃く変貌した顔を、跡部は神尾を組み敷き、見つめあうさなかに晒す。
跡部の顔。
吐く言葉。
漏れる息。
そういうものが全部、神尾の前で暴かれるのだ。
最初のうちは。
例えば抱かれる時などに、何でいきなり、だとか。
跡部ばかり平然としていて、これではあまりにも不公平ではないだろうか、とか。
思っていた神尾だったが、近頃いろいろ判るようになってきたのだ。
跡部も欲情する。
それを神尾に向けてくる。
薄い色の瞳に濡れたような熱が煌き灯る所から始まって。
まばたきをしなくなる。
長い睫毛がやけに目につくようになるのは、薄く目を細めるように伏目がちに見つめてくるからだ。
それもひどい至近距離から。
生々しい視線で、それこそ神尾の顔からちょっとした所作まで何一つ取りこぼさず見つめてくる。
見つめたままで身体中まさぐってくる。
跡部の手は不思議だ。
指先はこの上なく繊細なのに、手のひらは傍若無人に触って確かめるかのように神尾の四肢のあらゆる所を包み、さすり、辿ってくる。
子供のような、動物のような。
率直で、卑猥な手に。
神尾は身体も顔も撫でられる。
普段辛辣な言葉を吐くことの多い跡部の唇の中は、とろりとやわらかかった。
神尾は自分の身体のあちこちでそのことを知っている。
そのやわらかいものは神尾の殆どの場所を含んだからだ。
やけに苦しがる顔で跡部が自分を貪る事も。
甘ったるく喉を鳴らして吐き出してくる事も。
神尾は今は知っている。
でも昔は知らなかったそういうものが気づけるようになったからといって、ほんの少しも余裕が生まれたりはしなかったけれど。
結局は、跡部に翻弄されて、神尾はめちゃくちゃになる。
「………キリねえな」
「……、……ごめ………」
ベッドの上でしとどに潤んで身体を震わせている神尾は、幾度目かの放埓を体内に含み入れた後も、跡部から与えられ続けるキスに呼気を乱して胸を喘がせている。
もう跡部は、中にはいないのに。
だから跡部の呻きは最もで。
終わっても終わってもおさまりきれない身体が神尾自身怖かった。
性懲りもなくまた震え慄いている。
跡部のキスに口腔を濡らして、また。
まだ。
「てめえじゃねえだろ」
「……え…、…?……」
「…馬鹿が」
「………っひ…、…っ…」
跡部の両手に頭を包まれて、きつく固定されながら唇が塞がれる。
神尾の身体に跡部が通る。
脳まで直結しそうに、一息に。
凄まじい圧倒的な熱で。
「…ッ……、っ、…、っ…ぅ…」
喉を震わせる神尾の唇は完全に塞がれて、嬌声も出ない。
神尾の眦からあふれて零れる涙は、苦しいだけではない。
跡部は、幾度もその手のひらで拭ってくるけれど。
思考が届かないような深い所で、絡み合えている自分達が不思議で、怖くて、訳もなく嬉しかった。
跡部、と口にしたい。
言葉にしたい。
好きで、好きで、胸が押しつぶされそうに詰まっているものを、跡部がこうしてまだ与えてくるから。
懇願してでも呼びたい。
跡部。
「……っぁ、」
「…、……舌まで、いちいちエロいんだよお前は…」
低く吐き捨ててくるような悪態と一緒にキスが解かれる。
跡部に貪られていた舌が、どう動いてしまっていたのか神尾には知る由もないけれど。
跡部の名前を呼びたくてもがいていただけだから。
「………、とべ……あ、…っ…跡…部…、っ…跡部」
堰をきって迸り出る言葉に神尾は震え上がる。
キリがない。
キリがない。
本当に。
そんなことは本当にお互い様だ。
「………ぁぅ、…っ、…」
「………くそったれ、」
また跡部が悪態をついて、がっつくように動きを早める。
神尾を強く、きつく、揺さぶってきた跡部の赤裸々な欲望に。
見合う必死な仕草で、神尾は跡部の背中をかきいだく。
抱き締め返す。
キリがない。
はてがない。
しょうがない。
好きすぎて、それが募りすぎて、こんな事でも繰り返さなければもう、どうしようも、ない。
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