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How did you feel at your first kiss?
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 我慢ができなくなった神尾は、ベッドに組み敷かれた所で跡部を押し退けた。
 予測はしていたが案の定跡部は神尾を睨みつけてきて、そう簡単には逃してはくれない。
「あと、べ…っ……離せってば…! 手!」
 手首を真上から押さえつけられて、そこにもろに体重をかけられた。
 身体も乗り上げられて。
 こうなるともう跡部はびくともしない。
 神尾は再度本格的にベッドに組み敷かれる事になった。
 跡部の家に来てすぐのこの有様。
 あー、とも、うー、ともつかない呻き声をあげて神尾はジタバタと足でもがいた。
「………てめえ…」
 そんな神尾の抵抗を眼下に見下ろして、跡部の表情が馬鹿みたいに剣呑と尖るから。
 跡部の今の心情を理解して、神尾もつい、慌てた。
 いい加減我慢の限界だというのに、つい、そうじゃなくてと、首を左右に打ち振った。
「嫌がってんじゃねえってば…!」
「どこから見たって立派に嫌がってんだろうが」
「ちが、うってば!…もう、離せって、とにかく!」
「……半ベソで抵抗か?」
 不機嫌極まりなく喉奥で笑われて。
 逃がすか、と獰猛に告げられて。
 唇が塞がれそうになる寸前。
 とうとう神尾は、それこそ半ベソで叫んだ。
「かゆい!」
「………ああ?」
「かゆいんだよっ。虫に食われたのっ。ああもうっ」
 我慢出来ないと思って神尾は跡部を睨んで暴れた。
 多分部活中だ。
 だからこの季節は嫌なのだと神尾は恨めしく己の体質を呪う。
 何故なのか神尾は蚊に刺されやすい。
 体温が高く、子供体温だからだと仲間内からは毎年からかわれている。
 神尾にとって、入梅から初夏にかけては最も被害の大きな憂鬱な時期なのである。
 だから自分の叫んだ言葉に面食らった跡部の顔を目前にしながらも、それでも緩まない手の拘束に本気で焦れる。
 それなのにだ。
「…………食われたってのが、気にくわねえな」
「馬鹿かっ。蚊だ蚊っ!」
 何を真顔で言ってやがると神尾は心底から跡部を呆れたが、それより何より今は背中を襲う掻痒感が重大だ。
 無意識にシーツに背を擦りつけるようにしていると、跡部の表情にちょっと危なげな笑みが浮かんだ気がして神尾は物凄く嫌な予感がした。
 嫌な予感は外れない。
 跡部は神尾の耳の縁を噛むようにして囁いてきた。
「我慢できなくなると自分から派手に動いちまうのは一緒みたいだな」
「…、……っ……な」
 それとこれとは全然違うと思っても。
 神尾が口には出せないのは、じわじわと滲んでくる羞恥心のせいだ。
 全然違う事のはずなのに。
 跡部が意地悪するから、許してくれないから、神尾がもがくのは確かに共通点だ。
「………ッ……、」
 ぐっと言葉を詰まらせて神尾が跡部を睨みつければ、癖のある笑みを浮かべたまま漸く跡部から行動を起こしてくれるのもまた一緒。
「…………………」
 腕が離され、うつ伏せにされ、いとも簡単にシャツを剥ぎ取れる。
「一昨日俺がつけた痕に交ざっちまってんじゃねえの」
 含み笑いながらも、どれだよ?と聞いてくる跡部に、掻過しながら場所を手で指し示そうとして、そういえば手が届きそうもない所だと神尾は気づく。
 第一跡部の台詞にもますます羞恥は募り、呻きながらやけっぱちに、もっと上だとか右だとか神尾は喚いた。
 跡部は笑いながら神尾の皮膚を噛んでくる。
 それもどうなんだろうかと思いつつ、神尾は跡部の歯でむず痒さを宥められる。
 多少強く噛まれても、いっそ気持ちよくて、そのうち痒いんだか痛いんだか気持ち良いんだか何だか判らなくなってくる。
 なしくずしに、そして本格的に、跡部に抱かれ始めている事に神尾が気づいた時にはもう大概手遅れで。
 終始うつ伏せでしかけられたものだから、神尾の背中は跡部に完全に支配されて、吸われたり噛まれたり舐められたりで紅色に様々に刻まれてしまった。

 蚊に刺されやすいお子様体温どころではない。
 跡部に狙われて淫らに身体の色を変えられる始末の神尾だった。
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