How did you feel at your first kiss?
跡部と会えないでいる時は、まるで自分達には何の繋がりも関係もないかのような、完璧な隔たりがお互いの間に出来る気がする。
顔を見ないのは勿論、声も聞かないし、噂も耳にしないし、電話やメールもないし、跡部と自分とは、本当は、全くかかわりのない関係だと思えてならなくなる。
そういう時、跡部のことを好きな自分が、ふと、どうしようもなく怖くなる。
一方的なこの執着が。
あの怜悧な眼差しに一瞥されることもなく、そうやって無関心ならばまだいいくらいで、ひょっとすると侮蔑されそうな気すらして。
いつもいつも怖かった。
それが一日のことであっても。
一週間のことであっても。
同じことだった。
一日が一生みたいに感じる。
跡部からの連絡がなくなると、その瞬間から始まる、一生のような不安。
そして跡部からの連絡がくると、その瞬間から始まる、絶望のような不安。
跡部が、どういう顔で、何を思って、現れるのか。
それは会えないでいる間の怯えよりも遥かに。
遥かに強く、神尾を緊縛した。
何度もこういうことを繰り返している。
久しぶりに跡部と会うといつも、自分は跡部が怖くて、跡部はそれを見て不機嫌になる。
冷たくなる。
最初のキスに身体が竦む。
するとキスは乱暴になる。
逃げかけて、捕まって、目が合って、逸らして。
跡部の舌打ちと、自分の震える呼吸と。
会話もろくろくないまま組み敷かれ、性急に身体を繋げられて、泣いて。
泣いて。
「…っ、ゃ、」
「…………………」
「ふ………っ……ぇ……」
温みながら零れていくような音のする所を、どんどん深くやってこられて、先のない所に突き入れられ、拓かれ形をつくられていく、そんな生々しさに泣きじゃくるしかなくなる。
泣けば泣いただけ跡部は機嫌を悪くして。
自分はぐちゃぐちゃな顔を尚も晒すのだ。
「……っ………く……ぅ…っ…、っ、ぅ…」
顔。
隠したい。
いやだ、と思って動かそうとする手はもうろくに動かない。
それでも跡部はそんな神尾の両手首をきつく握りこんで、束縛して固定する。
顔の両脇に押さえつけられ、跡部の腰の力で神尾の両足は淫らに押し開かれる。
「…っぁっ…、っ、ぁ、っ」
押し込まれるたびに声が出て、泣き声というより嬌声じみた甘ったるさに何度も唇を噛むのに。
結局どうしようもなくなって、しゃくりあげて子供みたいに泣いた。
「…………てめえ……」
「っゃ………ャ、…だ……ゃ、ぁ…ー……っ……」
「……毎回毎回…たかだか二日三日で、リセットされやがって…」
「………ふ……ぁ…っ…ん、……ん…、…っん」
泣いているばかりだった。
怖がるばかりだった。
そんな時が確かにあった。
跡部に手荒に抱かれているうち、少しずつそういったものが薄らいでくる。
怒っていても、蔑まれているわけではない。
痛くされても、憎まれているわけではない。
「………あとべ……」
やっと口から放った名前に、神尾は崩れていく。
「あとべ………」
自分を抱き締めている。
突き上げてくる。
悪態をついて。
きつい言葉を吐いて。
髪を掴み締められて。
唇をめちゃめちゃに貪られる。
「…あとべ……、…っ……」
自由になった手を、跡部の首の裏側に絡めた。
ぎゅっとしがみつくと、もっと強く背中を抱かれた。
「ふざけやがって……っ…!」
何考えてんだてめえと低く剣呑とした声で吐き捨てられ、正気が吹き飛ぶような激しさで卑猥に抉られた。
「ぅぁ……、っ、…ん、…ン、っ、…あと…べ……っ…」
会えないことが不安なわけではないのだ。
会わないでいると、それまでのことがみんな空虚な空言だったかのような気になって。
それがどうしても、どうしようもなく、怖い。
「毎回毎回、全部なかったことにしやがって……」
何度逃げれば気が済むんだと跡部に荒く言葉を投げつけられ、首筋を噛まれた。
逃げたことなんかない。
逃げようと思った事だってない。
神尾は、ただ。
「…………あとべ……」
離れている時間の後の。
最初の跡部の視線が。
最初の跡部の言葉が。
いつも、いつも。
怖いと思うくらいに。
恋しいだけだ。
焦がれているだけだ。
いつでも跡部を望んでいて、いつでも初めて跡部の目に触れる、脆弱で剥き出しの感情が神尾の中にあるだけだ。
顔を見ないのは勿論、声も聞かないし、噂も耳にしないし、電話やメールもないし、跡部と自分とは、本当は、全くかかわりのない関係だと思えてならなくなる。
そういう時、跡部のことを好きな自分が、ふと、どうしようもなく怖くなる。
一方的なこの執着が。
あの怜悧な眼差しに一瞥されることもなく、そうやって無関心ならばまだいいくらいで、ひょっとすると侮蔑されそうな気すらして。
いつもいつも怖かった。
それが一日のことであっても。
一週間のことであっても。
同じことだった。
一日が一生みたいに感じる。
跡部からの連絡がなくなると、その瞬間から始まる、一生のような不安。
そして跡部からの連絡がくると、その瞬間から始まる、絶望のような不安。
跡部が、どういう顔で、何を思って、現れるのか。
それは会えないでいる間の怯えよりも遥かに。
遥かに強く、神尾を緊縛した。
何度もこういうことを繰り返している。
久しぶりに跡部と会うといつも、自分は跡部が怖くて、跡部はそれを見て不機嫌になる。
冷たくなる。
最初のキスに身体が竦む。
するとキスは乱暴になる。
逃げかけて、捕まって、目が合って、逸らして。
跡部の舌打ちと、自分の震える呼吸と。
会話もろくろくないまま組み敷かれ、性急に身体を繋げられて、泣いて。
泣いて。
「…っ、ゃ、」
「…………………」
「ふ………っ……ぇ……」
温みながら零れていくような音のする所を、どんどん深くやってこられて、先のない所に突き入れられ、拓かれ形をつくられていく、そんな生々しさに泣きじゃくるしかなくなる。
泣けば泣いただけ跡部は機嫌を悪くして。
自分はぐちゃぐちゃな顔を尚も晒すのだ。
「……っ………く……ぅ…っ…、っ、ぅ…」
顔。
隠したい。
いやだ、と思って動かそうとする手はもうろくに動かない。
それでも跡部はそんな神尾の両手首をきつく握りこんで、束縛して固定する。
顔の両脇に押さえつけられ、跡部の腰の力で神尾の両足は淫らに押し開かれる。
「…っぁっ…、っ、ぁ、っ」
押し込まれるたびに声が出て、泣き声というより嬌声じみた甘ったるさに何度も唇を噛むのに。
結局どうしようもなくなって、しゃくりあげて子供みたいに泣いた。
「…………てめえ……」
「っゃ………ャ、…だ……ゃ、ぁ…ー……っ……」
「……毎回毎回…たかだか二日三日で、リセットされやがって…」
「………ふ……ぁ…っ…ん、……ん…、…っん」
泣いているばかりだった。
怖がるばかりだった。
そんな時が確かにあった。
跡部に手荒に抱かれているうち、少しずつそういったものが薄らいでくる。
怒っていても、蔑まれているわけではない。
痛くされても、憎まれているわけではない。
「………あとべ……」
やっと口から放った名前に、神尾は崩れていく。
「あとべ………」
自分を抱き締めている。
突き上げてくる。
悪態をついて。
きつい言葉を吐いて。
髪を掴み締められて。
唇をめちゃめちゃに貪られる。
「…あとべ……、…っ……」
自由になった手を、跡部の首の裏側に絡めた。
ぎゅっとしがみつくと、もっと強く背中を抱かれた。
「ふざけやがって……っ…!」
何考えてんだてめえと低く剣呑とした声で吐き捨てられ、正気が吹き飛ぶような激しさで卑猥に抉られた。
「ぅぁ……、っ、…ん、…ン、っ、…あと…べ……っ…」
会えないことが不安なわけではないのだ。
会わないでいると、それまでのことがみんな空虚な空言だったかのような気になって。
それがどうしても、どうしようもなく、怖い。
「毎回毎回、全部なかったことにしやがって……」
何度逃げれば気が済むんだと跡部に荒く言葉を投げつけられ、首筋を噛まれた。
逃げたことなんかない。
逃げようと思った事だってない。
神尾は、ただ。
「…………あとべ……」
離れている時間の後の。
最初の跡部の視線が。
最初の跡部の言葉が。
いつも、いつも。
怖いと思うくらいに。
恋しいだけだ。
焦がれているだけだ。
いつでも跡部を望んでいて、いつでも初めて跡部の目に触れる、脆弱で剥き出しの感情が神尾の中にあるだけだ。
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