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How did you feel at your first kiss?
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 年下の恋人のキスはいつでもひどく丁寧に宍戸の唇を塞いだが、今日のそれはいつにもまして、繰り返し繰り返し、やわらかく触れてくる。
「…、長太郎」
 呼んだ名前ごと。
「………、ぉ……ぃ……、っ」
 言いかけの言葉ごと。
「ん……ぅ…、」
 上擦る吐息ごと。
 ちいさく、あさく、ふわりと、キスが。
 何度も何度も何度も何度も、いったいいつまで。
「……ッ……、」
 宍戸が鳳の腕にぎゅっと指先を縋らせると、普段聞き分けの良い後輩は、今は聞き分けの悪い甘いキスを重ねながら囁いてくる。
「宍戸さん。明日はね」
「…………ふ…、っ…」
「旧暦の聖十字架称賛の日なんですよ」
 校舎の壁際に追い詰められて。
 長身の身体に覆い被さられて。
 キスばかり受け止め続けて足元が覚束なくなっていく。
「明日は悪魔が、イチゴに毒をつけてまわる日だって言われてるんです」
「長太郎…、も……」
「だから……汚されぬ今日のうちに、イチゴは全て摘み取ろうと言われる日が、今日なんです」
 だからね、と。
 鳳はもう一度言った。
「今日は明日の分も、全部」
 させて下さいね、と丁寧に囁かれて。
 宍戸は鳳に舌をとられた。
 軽いキスは終わった。
 深いキスが始まった。
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